第12回 光通信技術の応用例(光ディスク)
現在では我々の生活はVD(Video Disc)やDAD(Digital Audio Disc)抜きでは考えられないようになってきているようです。レーザを一般家庭に持ち込んだのはVDです。特に日本においてはカラオケ装置として活躍しています。DADは別名CDですが、この名前の方が今では一般的になりました。
光ディスクの特徴をあげると、
- 高密度、大容量、取り外しが容易でランダムアクセスができる
- 長寿命、接触部分がないので摩耗がない
- 安価、半導体レーザの出現により小型化と高品質化が容易になり、コストダウンが可能となった
光ディスクの分類はつぎのようになります。
図12-1 光ディスクの種類
コンパクトディスクは音楽をデジタルで記録した再生専用形であり、CD-ROMは辞書やデータベースに使われ、レーザディスクは音楽のみならず、映像の再生も行います。追記形はユーザが1度だけ書き換えることができます。書き換え形はイレイザブルタイプとして最近では急速な実用化がはかられています。
おわりに
全12回にわたって連載してきましたが、私が常に言っているように、翻訳家になるためには「語学力」「技術的な知識」「日本語文章力」の3要素が必要です。これらがかみ合って、ウレル翻訳文が書けるようになるのです。頑張ってください!
/エイブス技術翻訳スクール 校長・疋田正俊
第11回 光通信技術の応用例(計測編)
警報システム
オプトエレクトロニクスの応用例として我々の前に最初に登場したのが、赤外線を用いた警報システムです。赤外線は人間には見えませんから、不審者が侵入した場合、この赤外線が不審者に遮られて赤外線感知器が作動するシステムです(つまり常時受けていた赤外線が検知されなくて警報を発するのです)。これは以前から007などの映画にも出てくる簡単なシステムですが、欠点もあります。赤外線を遮るのは泥棒だけでなく、落ち葉や犬、猫でも遮ってしまい、警報を発してしまいます。現在では通過した物体の大きさなども考慮する積分回路も取入れて誤作動しないように工夫されています。
カウンター
よく工場で見かける装置に個数を数えるカウンターがあります。人間が数えるよりも速く、正確に個数を数えます。図1にその簡単な応用例と検出回路を示します。これはフォトインタラプタの応用の1種ですが、通過する物体が光を遮断する度にカウンター回路に信号を送り、カウンター回路は個数を数えていきます。
図11-1 カウンター(コンベアライン)
距離計
ここでL=物体までの距離, d=イメージセンサの長さ, θ=左側ミラーの角度となります。イメージセンサはいくつかのフォトダイオード(受光素子)からなる光検出部であり、光が当たった素子のみが像を結びます。左右の像のバランスが取れればいいのです。物体が遠くになればなるほど、θの値は45度に近づきます。つまりtan(タンジェント)の値は限りなく大きくなっていき、距離は大となります。
図11-2 距離計
第10回 情報スーパーハイウエイとインターネット
20世紀の商品は鉄鋼、自動車、テレビ等でした。これらは21世紀においても市場経済の重要な品目としてとどまるでしょうが、産業をリードする牽引車とはならないでしょう。時代は変わっていきます。孫会長がいうには、世界市場を引っ張るのは「情報」という商品および「情報を仲介するインターネット関連のサービス」という商品だそうです。自動車やテレビは、米国や日本だけでなく、何処でも、誰でも作れる普通の商品に成り下がり、ネジや釘と同じような商品になるということです(ここだけは筆者の独断)。 インターネット産業は歴史的に見れば、まだ緒に就いたばかりです。これからどんな展開をしていくか、予測は難しいでしょう。100年先ではなく、2010年にはどうなっているのでしょうか。そして勝ち組に入るであろう人達は、2001年の今、何を勉強しているのでしょうか。
情報スーパーハイウエイ
これは米国の当時のゴア副大統領が提唱した高性能、高品質の通信に必要な高速ネットワークのことです。1993年1月に発足したクリントン政権は、アメリカ経済の再生と国際競争力の強化を目的として(ライバルは日本)、「情報スーパーハイウエイ」構想を提唱しました。具体的には情報通信インフラストラクチャの整備です。「全米の家庭、会社、学校、研究所、病院、図書館などをドア・ツー・ドアで結ぶ高速の情報ネットワークを整備し、情報へのアクセスを容易にする」というもの。ゴア副大統領の提案は、医療、教育、研究開発、電子図書館などでのコンピュータ利用に重点をおいており、2015年を目途にギガビット/秒レベルの高速光ファイバ・ネットワークを構築することです。AT&Tやその他民間の通信事業者が既に行ってきた幹線ルートを更に充実させ、光ケーブルを利用して高速光ネットワークを完成させることです。ちなみに日本では1999年暮に堺屋経済企画庁長官がこれに類した提案をしました。
ゴア副大統領は1993年9月には「NII」(National Information Infrastructure,国家情報インフラストラクチャ)を発表しました。NIIは数百のネットワーク群から構成され、それぞれは各企業が運営しますが、国家的にはこのネットワーク群を更に上位の巨大なネットワークで結合して、電話や双方向デジタル映像等をまんべんなく米国民に提供しようとするものです。
彼は2001年の大統領選には敗北しましたが、米国の産業界には多大な貢献をした副大統領として歴史に残るでしょう。日本にもこういう人材が出てきて欲しいものです。
ネットのルーツ