第12回 光通信技術の応用例(光ディスク)
現在では我々の生活はVD(Video Disc)やDAD(Digital Audio Disc)抜きでは考えられないようになってきているようです。レーザを一般家庭に持ち込んだのはVDです。特に日本においてはカラオケ装置として活躍しています。DADは別名CDですが、この名前の方が今では一般的になりました。
光ディスクの特徴をあげると、
- 高密度、大容量、取り外しが容易でランダムアクセスができる
- 長寿命、接触部分がないので摩耗がない
- 安価、半導体レーザの出現により小型化と高品質化が容易になり、コストダウンが可能となった
光ディスクの分類はつぎのようになります。
図12-1 光ディスクの種類
コンパクトディスクは音楽をデジタルで記録した再生専用形であり、CD-ROMは辞書やデータベースに使われ、レーザディスクは音楽のみならず、映像の再生も行います。追記形はユーザが1度だけ書き換えることができます。書き換え形はイレイザブルタイプとして最近では急速な実用化がはかられています。
図12‐2はディスクの拡大図です。図でわかるようにディスク上に凹凸をつけ、ピットの「ある」、「無し」で「0」、「1」を区別しているのです。原理そのものは原始的ですが、ピット間隔などを超微細にできるので、大容量の記録が可能なのです。ディスクはアルミニウムでできている反射板を両側より透明の塩化ビニールでサンドイッチ状にはさみこんだ構造をしています。レーザ・ビームは波長の数倍の大きさに絞られて図の1.6μmのピットの凹凸面に円形に照射されます。ピットの深さは0.14μm程度ですので、ピットのあるなしで反射する光の光路差ができます。すなわちピットからと、ピットの両側の部分からの反射が丁度打ち消しあって、光はゼロになるのです。ピットがない面からは、全部が反射となるので、信号を検出できるのです。
図12-2 ディスクピット形状
おわりに
全12回にわたって連載してきましたが、私が常に言っているように、翻訳家になるためには「語学力」「技術的な知識」「日本語文章力」の3要素が必要です。これらがかみ合って、ウレル翻訳文が書けるようになるのです。頑張ってください!
/エイブス技術翻訳スクール 校長・疋田正俊